上場株式等の取得価額が不明の場合は、取得価額の確認方法がありますので、まず、それで確認してください。
 それでも、譲渡した株式等が相続したものであるとか、購入した時期が古いなどのため取得費が分からない場合には、同一銘柄の株式等ごとに、取得費の額を売却代金の5%相当額とすることが認められています。また、実際の取得費が売却代金の5%相当額を下回る場合にも、同様に認められます。同一銘柄の株式で不明なものと明らかなものがある場合には、部分的に概算取得費(5%)を適用することはできないため、全部について5%とするか、取得価額を合理的に算出し総平均法に準ずる方法により取得費の計算を行うことになります。

株式の譲渡所得の計算上、同一銘柄で、取得価額が不明のものと明らかなものがある場合の概算取得費(5%)の適用の可否(所事例7401 税相版 誤りやすい事例集)

 同一銘柄で部分的に概算取得費(5%)を適用することはできないため、全部について5%とするか、取得価額を合理的に算出し、総平均法に準ずる方法によります。不明なものは5%、明らかなものは実際の取得価額をもとに総平均法に準ずる方法で取得費の計算をおこなうことはできません。

国税庁課税部資産課税課情報「株式譲渡益課税のあらましQ&A」(平成31年1月)問22「株式等の取得費と概算取得費(5%)との関係」より

 実際の取得価額を基に計算した株式等の取得費の金額(同一銘柄の株式等を2回以上にわたって取得している場合には、総平均法に準ずる方法により計算した金額)と概算取得費(譲渡価額の5%相当額)により計算した金額とを比較して、いずれか高い方をその株式等の取得費とすることができる(措通37の10・37の11共-13)。
 なお、概算取得費を選択した場合であっても、その個々の株式等の実際の取得価額を譲渡価額の5%相当額に置き換えるものではないことに留意する。

(設例)
【取得】 取得時期 株数(株) 単位(円) 取得価額
     S47・10 10,000    50    500,000
     H12・10 1,000    600    600,000
      (計) 11,000         1,100,000

【譲渡】 譲渡時期 株数(株) 単位(円) 譲渡価額
     H30・1  11,000    3,000  33,000,000

(実際の取得価額を基に計算した取得費)
1,100,000円(取得価額の合計額)÷11,000株(取得株数の合計)=100円(単価)
@100円(単価)×11,000株(譲渡株数)=1,100,000円

(概算取得費)
33,000,000(譲渡価額)×5%=1,650,000円(@150円)

(説明)
 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上、総平均法に準じて計算した金額(@100円)と譲渡価額の5%(@150円)とを比較していずれか高い方(@150円)を取得費とすることができる。