株式公開買付け

 上場株式等の一定の譲渡により譲渡損失の金額が生じた場合には、上場株式等を譲渡した場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の適用があるとされています(措法37の12の2)。

 よって、所有している株式を公開買付けに応じ売却する場合、譲渡する段階で、その株式が上場株式等に該当するか否かで、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を適用することができるか否かとなります。

 この場合の「上場株式等」には、金融商品取引所に上場されている株式等(措法37の11②一)、店頭売買登録銘柄株式(措令25の9②一)、店頭管理銘柄株式(措規18の10①一)などがあります。

 例えば、上場廃止後に、株式を公開買付けに応じ売却した場合は、上場株式等を譲渡した場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を適用することができないということになります。

 公開買付けに応じ売却する場合といっても、公開買付けの対象となる株式は、有価証券報告書の提出が義務付けられている会社(金取法24①)が発行する株式などですから、必ずしも、上場株式等に該当するものではありません。

上場株式の譲渡取引を金融商品取引所外で行った場合の誤りやすい事例

(誤った取扱い)
 TOB(株式公開買付け)に応じて上場株式を譲渡したが、その取引が金融商品取引所外で行われたものであることから、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法37の12の2)の適用はできないとした。

(正しい取扱い)
 TOBに応じて上場株式等を譲渡した場合も、措法37条の12の2②一に規定する金融商品取引業者等への売委託による譲渡に該当することから、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の適用がある(措法37の12の2②)。

大阪国税局資産課税課、資産課税関係誤りやすい事例(株式等譲渡所得関係 令和2年分用)より

自己株式の株式公開買付けの場合の誤りやすい事例

(誤った取扱い)
 TOB(自己株式の株式公開買付け)に応じて上場株式を譲渡した場合の所得区分を、全額について株式等に係る譲渡所得等とした。

(正しい取扱い)
 上場株式等が自己の株式の公開買付けを行う場合には、その上場株式等の株式の譲渡の対価として交付を受ける金銭の額がその上場会社等の資本金等の額のうちその交付の基因となった株式に対応する部分を超えるときにおけるその超える部分の金額については、自己の株式の取得の場合のみなし配当課税が行われる(所法25①五)。