金投資口座、金貯蓄口座の概要
金先物は、金利や保管費等を反映して現物価格を上回ることがあります。金投資口座は、契約時に将来の売戻価格を定める買戻し条件付売買です。
本記事でいう「金投資口座」「金貯蓄口座」は、所得税法174条6号等の「貴金属等の売戻し条件付売買」に該当する商品を前提とします。
こうした商品は、銀行では「金投資口座」、証券会社では「金貯蓄口座」などの名称で取り扱われてきましたが、課税関係は商品名ではなく契約内容により判定する必要があります。
金投資口座は、金融機関が一定期間後の買取価格を決めて顧客である投資家に金を販売(買戻し条件付きの販売)するという仕組みであり、一定期間後の売戻価格が契約時に定められる商品であり、中途解約の可否等は商品ごとの契約条件によります。顧客が購入した時に買戻し金額及び売買益が確定するため、確定利付商品となります。
典型的には、金融機関は先物で売り予約を行いながら金取引業者から現物で金を購入する一方、顧客にこの金を買戻し条件付きで販売します。
なお、金融機関が顧客に金を販売するといっても、一定期間後、顧客から金を買戻すため、顧客が購入した金は通常、金融機関等において保護預りとされ、顧客には預り証等が交付されます。
そして、一定期間後、金融機関は約定の買取価格で顧客から金を買戻し、その代金を顧客に支払います。
なお、「金投資口座」や「金貯蓄口座」は、金融機関(銀行、証券会社)が買戻し条件付で金を販売するもの(顧客が購入時に買戻し金額及び差金が確定)であり、金取引業者が扱っている金定額購入システムの「金積立口座」とは異なる商品です。
金投資口座、金貯蓄口座の所得税の取扱い
金投資口座での売戻し条件付売買の利益(売戻しをした場合の金額からその物品の買入れに要した金額を控除した残額。所法174六)は金地金の現物の譲渡益とは異なり、実態は金融取引に近いことから、金融類似商品の収益として一律20.315%(所得税等15.315%、地方税5%)の税率による源泉分離課税となります(措法41の10、所法209の2、209の3)。
金投資口座での売戻し条件付売買の利益は、上記の一律20.315%の税率による源泉分離課税制度が適用され、源泉徴収だけで課税関係が終了(所得税の納税が完結)するため、他の所得と合算して確定申告をすることはできません。
課税方式は、国内の預貯金利子と同様、20.315%の源泉分離課税です。


