亡くなってしまった人でも、死亡した年に、一定の所得があれば所得税がかかります。

 働いてお金を稼ぐと、そのお金には所得税がかかります。たとえ亡くなってしまった人でも、死亡した年に一定の所得があれば、所得税がかかります。そのため、亡くなった人についても確定申告をする必要があります。

 ただ、亡くなってしまった人は、自分で確定申告をすることはできません。そこで、亡くなった人の相続人等(相続人の他、包括受遺者を含む。)が、代わりに確定申告をします。これを、準確定申告といいます。

 相続人等が2人以上いる場合は、原則として、各相続人等が連署により準確定申告書を提出することになります。

 相続税のことだけで頭が一杯になって、所得税(準確定申告)のことを忘れないよう注意する必要があります。

 準確定申告といっても、確定申告とほとんど変わりません。ただし、少しだけ異なる点があります。準確定申告では、所得と税額の計算期間は、1月1日から亡くなった日までとなります。

 準確定申告で払った税金は、亡くなった人の払うべき税金です。そのため納めた所得税は、相続財産から引いてもらえます。また、逆に還付金(納めすぎた税金をかえしてもらう)があった場合は、相続財産にプラスされます。

準確定申告の期限

 申告期限は亡くなった日(相続を知った日)の翌日から4ヶ月以内です。例えば7月1日に亡くなった場合は、11月1日までに準確定申告をする必要があります。

 確定申告をしなければならない人が翌年の1月1日から確定申告期限(原則として翌年3月15日)までの間に確定申告書を提出しないで死亡した場合の準確定申告の期限は、前年分、本年分とも相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内となります(所法124、125)。

準確定申告による還付申告の期限

 還付申告書を提出できる期間は、申告書を提出できる日から起算して5年間です(通法74①)。居住者が年の途中で死亡した場合に、その相続人が還付請求をすることができるのは、死亡の日の翌日からであるため(所法125)、最終日は、死亡日の翌日の5年後の応当日の前日となります。

 例えば、令和2年5月31日に被相続人が死亡した場合は、令和7年5月31日までとなります。

準確定申告による還付金及び還付加算金

 還付金請求権は(本来の)相続財産であり、相続税の課税の対象となります。したがって、還付金請求権に基づいて還付金を取得した場合は、相続税の課税の対象となります。

 一方、還付加算金は相続人が確定申告書の提出によって原始的に取得するもので、被相続人からの相続によって取得するものとは認められないため、相続人の所得税(雑所得)の課税対象となり、相続税の課税価格には算入されません。

 なお、被相続人が確定申告書を提出した後に死亡した場合の被相続人に係る還付加算金については、相続税の課税価格に算入されます。

サラリーマンなどの給与所得者の場合

 サラリーマンなどの給与所得者は、この準確定申告が不要のことが多いです。収入先が勤め先での給与収入1つなら、会社などがその人の給与所得にあわせて、年末調整をしてくれるからです。

 会社側の処理としては、死亡した人に係る給与等で死亡時までに支給期の到来している給与等については、「給与所得の源泉徴収票」の「支払金額」欄に含める必要があります(この分も含め、年末調整を行います。)。一方、死亡後に支給期の到来するものについては、本来の相続財産として、相続税の課税対象となるため、「給与所得の源泉徴収票」の「支払金額」欄に含める必要はありません。

確定申告と準確定申告の違い

確定申告準確定申告
申告をする人本人相続人等
所得と税額の計算期間1月1日~12月31日1月1日~亡くなった日
申告の期限翌年の2月16日~3月15日相続を知った日の翌日から4ヶ月以内