クラウド会計対応 月額5,500円からの顧問料 東京都豊島区池袋の格安顧問料の税理士です

法人税、地方税における中間申告(予定申告)と中間納付の取扱い

概要

 中間申告とは、事業年度の中間点で納税をするための手続をいいます。

 事業年度が6か月を超える普通法人は、原則として事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内に中間申告書を提出する必要があります(法法71)。

 期限が土曜日、日曜日、祝日ならば、これらの日の翌日が期限とみなされます(通則法10②)「翌日」といっても、連続して休日となる場合には、実質的には次の平日まで延びます。

 例えば、3月末決算の法人なら、11月30日までに中間申告書を提出する必要があるということになります。11月30日が日曜日なら、月曜日の12月1日までに中間申告書を提出する必要があるということになります。

 中間申告により納付すべき税額がある場合には、中間申告書の提出期限までにその税額を納付する必要があります(法法76)。

 なお、法人税の場合、実務上は、次のように前期の確定法人税額が20万円を超えるか否かで、中間申告・納税が必要か判定をすると言われています。

〇 前事業年度12か月・通常の中間期間6か月の場合の目安

前期確定法人税額 20万円以下 中間申告不要
前期確定法人税額 20万円超 中間申告必要

 ただし、法人税の中間申告義務は、前事業年度の確定法人税額そのものが20万円を超えるかどうかではなく、法人税法71条1項1号の算式により計算した前期実績基準額が10万円を超えるかどうかで判定します。

 前事業年度が12か月で中間期間が通常の6か月である場合には、上記のように前期確定法人税額20万円が一応の目安となります。

 ただし、短期事業年度等では一致しないため、法定算式によって判定する必要があります(法法71①一・ただし書、国税庁「中間申告書の提出を要する通算法人」、国税庁質疑応答事例「法人税の中間(予定)税額の算出方法について」)。

中間申告2つの方法

 法人税における中間申告には、前期実績に基づく予定申告と仮決算に基づく中間申告があり、所定の要件を満たす場合には、予定申告に代えて仮決算による中間申告を行うことができます(法法71①、72①)。

前年度実績を基準とする中間申告(予定申告)

「前年度実績を基準とする中間申告(予定申告)」における予定申告額は、前事業年度の確定法人税額を前事業年度の月数で除して1円未満を切り捨て、その金額に中間期間の月数を乗じて計算します。

 計算した金額が10万円以下である場合又はその金額がない場合には、中間申告は不要です(法法71①ただし書)。

 地方法人税についても中間申告制度がありますが、地方法人税法16条に基づき別途計算します(法法71①一、地方法人税法16①、通則法基通119関係6)。

(計算例)
 設立1期目(令和5年8月25日~令和6年3月31日)の確定法人税額が522,300円だった場合の、2期目の中間納税額はいくらなのか?

(答え)
 令和5年8月25日~令和6年3月31日の場合、7か月ちょっとの月数となりますが、この場合、8か月となります。

 522,300円 ÷ 8月 = 65,287.5円 1円未満切捨てで、65,287円

 65,287円 × 6月 = 391,722円 100円未満切捨ての391,700円が2期目の中間納税額となります。

 522,300円÷8月=65,287.5円となるため、まず1円未満を切り捨てて65,287円とします。これに6月を乗じると391,722円となり、最終的な納付税額は391,700円となります(法法71①一、通則法119①、通則法基通119関係6、国税庁質疑応答事例「法人税の中間(予定)税額の算出方法について」)。

仮決算に基づく中間申告

「仮決算に基づく中間申告」とは、事業年度開始の日以後6か月の期間を1事業年度とみなして、仮決算を行い提出期限までに中間申告することをいいます(法法72①、地方税法72の26・53・321の8)。

 申告書様式は確定申告の場合と同様ですが、表題部に「中間」申告書と記載します。また、仮決算による中間申告書には、中間期間末における貸借対照表、損益計算書その他所定の書類を添付します(法法72②)。

 中小企業の場合、手間がかかるため、上述した「前年度実績を基準とする中間申告(予定申告)」で済ますことが多いです。

 ただし、前事業年度に比べ経営状況が悪化して納付すべき税額が減少すると見込まれる場合は、仮決算に基づく中間申告を選択することにより中間納付税額を少なくすることが可能となります。

 なお、仮決算に基づく中間申告は、次の場合には提出できません(法法72①ただし書)。

① 前年度実績を基準とする中間申告(予定申告)による中間納付税額が10万円以下である場合又はその金額がない場合(災害損失金額がある場合を除きます。)
② 仮決算をした場合の中間申告書に記載すべき法人税の額が、前年度実績を基準とする中間申告(予定申告)による中間納付税額を超える場合

 過去において、確定申告による中間納付額の還付金に付される還付加算金による利殖を目的としているとも推察できる行為が散見されたことから、平成23年度税制改正では、課税の適正化の観点から、予定申告による中間納付税額が10万円以下である場合等又は仮決算による中間申告税額が予定申告による中間納付税額を超える場合には、仮決算による中間申告を行うことができないこととされました(法法72①ただし書、財務省「平成23年度税制改正の解説」291頁)。

中間申告書をその提出期限までに提出しなかった場合

 中間申告書を提出すべき法人がその中間申告書をその提出期限までに提出しなかった場合には、その提出期限において、前年度実績を基準とする中間申告(予定申告)があったものとみなされます(法法73)。

 よって、期限後に、仮決算に基づく中間申告をすることはできません。

 中間申告書を提出しない場合でも、法人税法73条により予定申告があったものとみなされるため、予定税額を期限までに納付する必要があります。

 なお、現在は、e-Taxで申告している法人等には法人税予定申告分の納付書が事前送付されず、予定申告・納税に必要な情報がe-Taxのメッセージボックスに格納される取扱いとなっています(法法73、76、国税庁「納付書の事前送付に関するお知らせ」)。

注意点

 中間申告による納付税額が10万円以下のときに申告を要しないのは、予定申告の場合に限られています。前年度実績を基準とする中間申告(予定申告)の金額が10万円超の場合、仮決算をして10万円以下となったとしても、申告しなければ、予定申告とみなされ、前年度実績を基準とする法人税を納付する必要があります。

確定申告による精算(還付)

 中間納付税額は法人税額等の前払いであるため、確定申告で精算します。よって、確定申告により算出された法人税額等から中間納税された金額を差し引いた金額を、確定申告時に納税をします。

 なお、法人税及び地方法人税については、確定申告で中間納付額を控除し、控除しきれない中間納付額がある場合には、その金額が還付されます(法法79①、地方法人税法22の2①)。

 法人税、地方法人税並びに法人住民税の本税は、法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入されません。また、これらの税の一定の還付金については益金不算入となります(法法26、38、国税庁タックスアンサーNo.5300「租税公課等の損金算入の可否と租税の損金算入時期」)。

 法人事業税及び特別法人事業税については、中間納付額の全額を当期の損金とし、翌期に確定する還付金を翌期の益金とする処理が認められています。

 他方、還付見込額を仮払金等として経理し、その金額を申告調整で減算する方法も認められています(法基通9-5-1、9-5-2、国税庁質疑応答事例「中間納付事業税の還付金」)。

 なお、還付加算金は、還付される法人税等の本税とは異なり、法人税の所得金額の計算上、益金の額に算入されます(法法22②、26、通則法58①)。

仕訳

 中間納付を行い、その一部が還付される場合の会計上の仕訳例としては、例えば次の3通りが考えられます。

 なお、法人税・地方法人税・法人住民税の本税と、法人事業税・特別法人事業税では、法人税の所得金額の計算上の取扱いが異なるため、採用した会計処理に応じて必要な申告調整を行う必要があります(法法38、法基通9-5-1、9-5-2)。

〇 前提条件 中間納税額 1000万円 確定申告による法人税額等 600万円 還付額 400万円


中間納税時  仮払法人税等   1000万円  現金預金     1000万円
決算時    法人税等     600万円   仮払法人税等   1000万円
       未収還付法人税等 400万円
翌期     現金預金     400万円  未収還付法人税等  400万円


中間納税時  仮払法人税等   1000万円  現金預金     1000万円
決算時    法人税等     1000万円  仮払法人税等   1000万円
翌期     現金預金       400万円  雑収入  400万円


中間納税時  法人税等     1000万円  現金預金     1000万円
翌期     現金預金       400万円  雑収入  400万円

 還付加算金がついた場合は、その分は雑収入として経理処理します。

法人住民税・法人事業税等

 法人県(都)民税・法人市民税については、原則として、法人税について中間申告義務がある法人が中間申告を行います。

 法人事業税・特別法人事業税についても、所得を課税標準とする通常の法人については、原則として、法人税について中間申告義務がある場合に中間申告を行います。

 ただし、当該事業年度に収入割を申告する法人や、前事業年度において外形標準課税の対象であった法人については、事業年度が6か月を超える場合、法人税について中間申告義務がない場合であっても、法人事業税・特別法人事業税の中間申告が必要となります。

 なお、特別法人事業税は国税ですが、法人事業税と同じ申告書・納付書により、法人事業税と併せて都道府県へ申告・納付します(特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律、東京都主税局「特別法人事業税」)。

防衛特別法人税

 防衛特別法人税は令和8年4月1日以後に開始する課税事業年度から創設されていますが、中間申告書の提出が必要となるのは令和9年4月1日以後に開始する課税事業年度からです(防確法21、国税庁「防衛特別法人税が創設されました」)。

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry

error: Content is protected !!