概要

 令和4年度税制改正により、令和4年4月1日以降に取得等した減価償却資産で貸付けの用に供したもの(主要な業務として行う貸付けに供するものを除く。)については、少額の減価償却資産(取得価額が10万円未満のもの)(法令133、所令138)、一括償却資産(法令133の2、所令139)及び中小企業者等(中小事業者)の少額減価償却資産(措法28の2、67の5、措令18の5、39の28) に該当しなくなりました。

 改正前までは、少額の建設用足場、ドローン等を大量に購入し、自社の事業の用に供するのではなく、他者への貸付けという節税(実際は課税の繰延べ)が行われていました。

 例えば、単価9万円のものを1,000個購入(計9,000万円)し、それを他者へ貸し付けた場合、購入、貸し付けた事業年度に9,000万円を全額経費として、それに対する貸付賃料を5年で受け取るというような節税スキームです。

 このような節税スキームを封じるように、税制改正が行われました。ただし、貸付けが主要な事業として行われている場合は、この税制改正の適用除外となっています。

 この改正により、令和4年4月1日以降に取得した資産については、その取得価額の全額を経費とすることはできず、それぞれの耐用年数に基づく減価償却費を計算した金額が経費となります。

 なお、令和4年3月31日以前に取得等した場合については、従前のとおり、貸付けの用に供したものであっても、少額の減価償却資産、一括償却資産及び少額減価償却資産に該当します(令4改所令附則4、令4改措法附則31)。

主要な業務として行われる貸付け

 主要な業務として行われる貸付けに該当する場合は、少額の減価償却資産等について、その取得価額の全額を経費にすることができます。

 次のような場合は、主要な業務として行われる貸付けに該当するため、少額の減価償却資産等について、その取得価額の全額を経費にすることができます(法規27の17①、法基通7-1-11の3、所規34の2①、所基49-39の3)。

(1)内国法人、居住者に対して資産の譲渡又は役務の提供を行う者の当該資産の譲渡又は役務の提供の業務の用に専ら供する資産の貸付け
(2) 継続的に内国法人、居住者の経営資源(業務の用に供される設備(その貸付けの用に供する資産を除く。)、業務に関する当該居住者又はその従業者の有する技能又は知識(租税に関するものを除く。)その他これらに準ずるものをいう。)を活用して行い、又は行うことが見込まれる業務としての資産の貸付け
(3)内国法人、居住者が行う主要な業務に付随して行う資産の貸付け

 なお、グループ法人化しており以下のような場合は、主要な業務として行われる貸付けに該当するため、少額の減価償却資産等について、その取得価額の全額を経費にすることができます。

 企業グループ内の各法人の営む事業の管理運営を行っている法人が当該各法人で事業の用に供する減価償却資産の調達を一括して行い、当該企業グループ内の他の法人に対してその調達した減価償却資産を貸し付ける行為

法人税基本通達

7-1-11の2(一時的に貸付けの用に供した減価償却資産)

 令第133条《少額の減価償却資産の取得価額の損金算入》又は第133条の2《一括償却資産の損金算入》の規定の適用上、法人が減価償却資産を貸付けの用に供したかどうかはその減価償却資産の使用目的、使用状況等を総合勘案して判定されるものであるから、例えば、一時的に貸付けの用に供したような場合において、その貸付けの用に供した事実のみをもって、その減価償却資産がこれらの規定に規定する貸付けの用に供したものに該当するとはいえないことに留意する。

7-1-11の3(主要な事業として行われる貸付けの例示)

 規則第27条の17《少額の減価償却資産の主要な事業として行う貸付けの判定》(規則第27条の17の2《一括償却資産の主要な事業として行う貸付けの判定》において準用する場合を含む。以下7-1-11の3において同じ。)の規定の適用上、次に掲げる貸付けには、例えば、それぞれ次に定めるような行為が該当する。

(1) 規則第27条の17第1項第1号に掲げる貸付け 企業グループ内の各法人の営む事業の管理運営を行っている法人が当該各法人で事業の用に供する減価償却資産の調達を一括して行い、当該企業グループ内の他の法人に対してその調達した減価償却資産を貸し付ける行為
(2) 同項第2号に掲げる貸付け 法人が自己の下請業者に対して、当該下請業者の専ら当該法人のためにする製品の加工等の用に供される減価償却資産を貸し付ける行為
(3) 同項第3号に掲げる貸付け 小売業を営む法人がその小売店の駐車場の遊休スペースを活用して自転車その他の減価償却資産を貸し付ける行為
(4) 同項第4号に掲げる貸付け 不動産貸付業を営む法人がその貸し付ける建物の賃借人に対して、家具、電気機器その他の減価償却資産を貸し付ける行為
(注) 本文の(1)から(4)までに定める行為であっても、同条第2項に規定する場合に該当するものは、令第133条第1項《少額の減価償却資産の取得価額の損金算入》又は第133条の2第1項《一括償却資産の損金算入》に規定する主要な事業として行われる貸付けに該当しないことに留意する。

所得税基本通達

49-39の2(一時的に貸付けの用に供した減価償却資産)

 令第138条又は第139条の規定の適用上、居住者が減価償却資産を貸付けの用に供したかどうかはその減価償却資産の使用目的、使用状況等を総合勘案して判定されるものであるから、例えば、一時的に貸付けの用に供したような場合において、その貸付けの用に供した事実のみをもって、その減価償却資産がこれらの規定に規定する貸付けの用に供したものに該当するとはいえないことに留意する。

49-39の3(主要な業務として行われる貸付けの例示)

 規則第34条の2((少額の減価償却資産の主要な業務として行う貸付けの判定))(規則第34条の3((一括償却資産の主要な業務として行う貸付けの判定))において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用上、次に掲げる貸付けには、例えば、それぞれ次に定めるような行為が該当する。

(1) 規則第34条の2第1項第1号に掲げる貸付け 居住者が自己の下請業者に対して、当該下請業者の専ら当該居住者のためにする製品の加工等の用に供される減価償却資産を貸し付ける行為
(2) 同項第2号に掲げる貸付け 小売業を営む居住者がその小売店の駐車場の遊休スペースを活用して自転車その他の減価償却資産を貸し付ける行為
(3) 同項第3号に掲げる貸付け 不動産貸付業を営む居住者がその貸し付ける建物の賃借人に対して、家具、電気機器その他の減価償却資産を貸し付ける行為
(注) 本文の(1)から(3)までに定める行為であっても、同条第2項に規定する場合に該当するものは、令第138条第1項又は第139条第1項に規定する主要な業務として行われる貸付けに該当しないことに留意する。