商号(会社名)の決め方

 商号とは、会社の名称のことです。会社の商号とは、これから立ち上げる会社のイメージにも大きな影響を与える、その会社の「名前」となるものです。親が自分の子どもに名前をつけるときには、その名前に子どもの将来を託したり、親しみやすさなどを考えたりするものでしょう。商号を決めるときも同様です。以下のような点から考えて選ぶとよいでしょう。

●商号から、仕事の内容や商品がわかるようにする 
 (例 )株式会社○○建設
●地元密着をアピールする 
 (例 )株式会社六本木○○
●覚えやすいものにする
●会社の成長・発展をイメージする

商号における一定のルール

 商号は、原則として会社を設立しようとする者において自由に決めることができます(商号選定自由の原則)。ただし、一定のルールに則って選定しなければ、商号として使用することはできません。以下で基本的なルールを紹介します。

●商号には、必ず「株式会社(合同会社)」という会社の種類に関する文字を入れなければならない (会6②)
 ただし「 株式会社」といった四文字( 会社の種類に関する文字 )だけの商号は許されない。
 OK例「○○株式会社」、「株式会社○○」 、 「○○合同会社」、「合同会社○○」 
 NG例 「○○Co.,Ltd.」 、 「○○LLC※」
 ※「○○LLC合同会社」は可(例:フジテレビラボLLC合同会社)

 ただし、定款上や名刺上での英文表示は可能。定款での記載は以下のようになる。
「当会社は株式会社○○と称し、英文では○○ Co.,Ltd.と表示する。」
 「K.K.」、「Company Incorporated」、「Co.,Inc.」、「Co.,Ltd.」などを使用。
 合同会社の場合は、「LLC」、「G.K.」などを使用。
●1つの会社では1つの商号しか使用することができない(商号単一の原則)
●会社の支店であることを示す文字を用いることや、会社の一部門であることを示す文字は使用することができない
 NG例「株式会社○○東京支店」「合同会社○○営業部」
●既存の他の会社と商号及び本店の所在場所を同一とする内容の設立の登記は許されない(詳しくは、下記「商号の調査」)
●不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある商号(有名企業の商号、広く知られた商号、著名な商号など)を使用することは禁止されている
 違反して、他の会社(外国会社を含む)であると誤認されるおそれのある商号を使用した者は、100万円以下の過料に処することになっている。
●他の法令により使用を禁止されている文字を用いることは許されない
 例えば、銀行や信託等の各事業を営むものでない会社が、その各業者であることを示すような文字を商号中に用いることはできない。
●公序良俗に反する商号は使用できない

 以上のように、商号はルールで定められた範囲で自由に決めることができるということになります。

商号にローマ字等を用いる

 商号の登記に用いることができるのは、ひらがな、カタカナ、漢字だけでなく、以下の一定のルールの下、ローマ字その他の符号も利用できます。

●商号には、ひらがな、カタカナ(「ヴ」もOK)、漢字、ローマ字(a、b、A、B、…)、アラビア数字(1、2、3、…)を用いることができる。また、「&」(アンパサンド)、「’」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)、「-」(ハイフン)、「.」(ピリ オド)及び「・」(中点)の6種の符号を使用した商号も登記可能(商登規50)
 ただし、この6種の符合は字句 (日本文字を含む) を区切る際の符号としての使用に限る。したがって、ピリオドは省略を表すものとして商号末尾に使用できるが、それ以外の符号は商号の先頭または末尾には使用できない。
 OK例 「株式会社A.B.C.」
●「ABC東日本株式会社 」「大阪XYZ合同会社」のように、ローマ字と日本文字とを組み合わせた商号も許される
 ただし、「ABC(エイビーシー)株式会社」のような、ローマ字の読みを括弧書きでするようなことはできない。
●ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合に限り、当該単語の間を区切るために空白(スペース)を用いることができる
● 「777株式会社」というように、アラビア数字だけの商号を登記することは可能 

商号の調査

 既存の他の会社と商号及び本店の所在場所を同一とする内容の設立の登記は、することができません(商登法27)。つまり、同一商号でありかつ同一本店の会社が既に登記されている場合にのみ設立はできません。
 なお、「ホウム株式会社」と「ホウム合同会社」、あるいは「ホウム合同会社」と「合同会社ホウム」といったものは、同一の商号には当たりません。ただし、トラブルを避けるために、新たに設立する場合には、そのような商号は避けたほうがよいでしょう。
 また、既存の会社が「一丁目1番1号」で登記されている場合において、新たに設立する会社の本店を「一丁目1番1号101号室」とした場合は、同一本店とみなされます。しかし、既存の会社が「一丁目1番1号101号室」で登記されている場合において、新たに設立する会社の本店を「一丁目1番1号102号室」とした場合は、同一本店とみなされません。
 一戸建てで自宅兼事業所を構えるなら問題ないということになりますが、オフィスビル・雑居ビルの中に事業所を構える場合は、一応、登記申請の前に 登記所で商号調査をする必要があるということになります。
 その他、登記所に行かずに、お持ちのパソコンでインターネットを経由して商号調査をすることができる方法があります。詳しくは、法務省ホームページの「オンライン登記情報検索サービスを利用した商号調査について」を参照してください。