借入時

 融資を受ける場合、金銭消費貸借契約に貼付する収入印紙の代金を事業者側が負担します。また、金融機関に融資取扱手数料を払う場合があります。

 これらの事業者側が支払う金額について、借入する資金から差し引く場合もありますし、別途、現金預金により支払う場合があります。

(例)300万円(48か月払い)の融資を受けて、収入印紙代2,000円、融資取扱手数料22,000円(税込み)を別途、現金預金により支払う場合

現金預金 3,000,000円   長期借入金 3,000,000円

租税公課  2,000円    現金預金 24,000円
支払手数料 22,000円    

 なお、融資を受ける場合、会社の信用力に大きく左右され、中小企業の場合、一般的に信用力が低いとみなされるため、信用力の補填を要求されることが多いです。

 その時に、よく活用されるのが信用保証協会です。信用保証料を支払うことにより、信用保証協会に保証をしてもらい、銀行等の金融機関から融資を受けます。

(例)上記300万円(48か月払い)を借りる際に、信用保証協会に信用保証料3万円を支払った場合

長期前払費用  30,000円    現金預金 30,000円

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響で売上減の事業者の保証料を国が全額補助をしている場合では、国と信用保証協会との間で保証料の支払が完結しているため、事業者側での処理は不要です。半額補助の場合には、半額相当である実際に支払った(負担した)保証料を長期前払費用として資産計上します。

返済時

 通常、返済時には借入金の元金返済の他、利息も支払います。借入の際に金融機関から「借入金返済予定明細書」をもらいますが、そこに内訳(元金返済と利息)が書いてあります。

(例)今月の借入返済として普通預金から72,500円が引き落とされていた。「借入金返済予定明細書」の今月返済分には、返済額(元利合計)72,500円(うち利息10,000円、うち元金内入62,500円)と記載されていた。

長期借入金 62,500円  普通預金 72,500円
支払利息  10,000円

 なお、新型コロナ特別利子補給制度による「利子補給金」が交付された場合には、発生する利子相当額と同額を「雑収入(助成金収入)」計上することになります。助成金等のため、消費税は不課税です。

決算時(個人の場合は年末時)

 返済時においての仕訳処理が間違っていなければ、「借入金返済予定明細書」の決算月における借入金残高と決算書の借入金の残高が一致します。一致しているかは、必ず、確認してください。

 なお、借入金で、事業年度の末日の翌日から起算して1年以内に支払又は返済されると認められるものは、流動負債の部に「短期借入金」として表示します(長期借入金は固定負債の部に表示します)。

(例)事業年度の末日の翌日から起算して1年以内に返済する借入金75万円の場合

長期借入金 750,000円  短期借入金 750,000円

 上記のように、仕訳して長期借入金から短期借入金に振り替えるのですが、中小企業の場合、振り替えないで長期借入金のままにしていることが結構多いです(面倒くさいから等)。

 税額には影響を与えないので税務署は何とも思わないですし、お金を貸している金融機関も、見慣れているので、「短期借入金に直せ」とは言ってこないのが実情です。

 ただし、事業者が一括で支払った信用保証料は保証期間の経過に応じて経費化しますので、期間按分はちゃんとしてください。

 平成19年2月27日裁決(裁事73集353頁)では、信用保証料は、一定の契約に従い継続して役務の提供を受けるために支出した費用に当たるというべきであり、事業年度末において未経過の保証期間に対応する額は、前払費用とすることが相当であると判断しました。

(例)融資時に信用保証協会に保証期間48か月分の信用保証料3万円を支払った場合(融資時に長期前払費用30,000円として処理)で、今期中に決算末までで12か月分が経過した場合

支払手数料(支払利息)  7,500円    長期前払費用 7,500円

 上記7,500円は3万円×(12か月/48か月)だからです。

借入金と支払利息、信用保証料の消費税

 借入した際の借入金、金銭消費貸借契約に貼付する収入印紙代、信用保証協会への信用保証料は消費税が課されません。金融機関に支払う融資取扱手数料は消費税が課されます(課税取引)。

 借入金の返済、支払利息は消費税が課されません。

役員に支払う保証料

 会社が銀行から融資を受ける場合、役員の連帯保証を求められることが多いです。では、会社が支払う連帯保証料は、どのくらいの金額が妥当なのでしょうか?

 結論を言うと、信用保証協会の信用保証料率を援用して算定した金額が妥当と考えられます。

宮崎地裁平成12年11月27日判決(税資249号731頁)要旨

 会社の代表取締役等の役員が会社の債務について保証を行なうのは、役員の信用力の提供自体を期待するものでなく、経営責任を明確化することを目的とし、役員側においては、保証の引受自体によって利益を得ることを目的とするものではなく、職務上会社の利益のために保証を引き受けているのであって、営利を目的として行なわれる民間の保証会社の保証とは著しい相異があるから、適正な保証料額の決定にあたって民間の保証会社の保証料を参考にすることは相当でない。

 信用保証協会の保証制度は、その設立の趣旨・目的から利益を得ることを予定していないことから、会社の代表取締役等の役員が会社の債務について保証を行なう場合と営利を目的としない性質の保証である点で共通している信用保証協会の保証料の算出基準を参考として定めた基準により算出される金額を上限とするのが相当であり、保証料のうち、同額の範囲内は、保証委託の費用(法人税法22条3項)として損金に算入することができるが、これを超える金額は過大役員報酬として損金に算入することができない。