「整理銘柄」に指定された上場株式等を譲渡した場合

 上場株式等が上場廃止基準に該当し上場廃止を決定した場合は、その事実を投資者に周知させ、投資者が整理売買を行うことができるように、当該株式等を原則として1か月間「整理銘柄」に指定し、売買を行わせた後に上場廃止することとなっています。

 したがって、整理銘柄に指定された上場株式等であっても、金融商品取引業者への売委託など一定の方法により譲渡をしたことにより生じた損失の金額については、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の適用対象となります。

「監理銘柄」に指定された上場株式等を譲渡した場合

 「監理銘柄」とは、上場株式等が上場廃止基準に該当するおそれがある場合には、その事実を投資者に周知させ、投資者がこれに対応する措置がとれるよう、当該株式等を「監理銘柄」に指定し割り当て、ここで売買を行わせるものです。

 この監理銘柄の指定期間は、上場廃止基準に該当しないことが明確になったとき、又は上場廃止基準に該当することとなったときまでとされており、前者の場合は通常の取引に戻り、後者の場合は上記整理ポストに移行することになります。

 したがって、金融商品取引業者への売委託など一定の方法により譲渡をしたことにより生じた損失の金額については、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の適用対象となります。

「整理ポスト」、「監理ポスト」内にある上場株式等を譲渡した場合の誤りやすい事例

(誤った取扱い)
 「整理ポスト」、「監理ポスト」内にある上場株式等を譲渡したが、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法37の12の2)は適用できないとした。

(正しい取扱い)
 「整理ポスト」、「監理ポスト」に割り当てられた株式等は、まだ上場廃止となっていないので、上場株式等に該当し、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の対象となる。

大阪国税局資産課税課、資産課税関係誤りやすい事例(株式等譲渡所得関係 令和2年分用)より