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未成年者控除

 相続や遺贈で財産を取得した未成年者が相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)となった場合は、相続税が安くなる特例があります。これを未成年者控除といいます(相法19の3)。

 未成年者控除とは、法定相続人のうち18歳(令和4年3月31日以前の相続または遺贈については20歳)未満の人は、成人(18歳)になるまでの年数1年につき10万円が相続税からマイナスされます。

 年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。例えば、未成年者の年齢が13歳5か月の場合は、5か月を切り捨て13歳で計算します。この場合、18歳までの年数は5年になります。したがって、未成年者控除額は、10万円×5年で50万円となります。

 なお、未成年者控除額が、その未成年者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引ききれないことがあります。この場合は、その引ききれない部分の金額をその未成年者の扶養義務者の相続税額から差し引きます(相基通19の3-4)。扶養義務者が2人以上いる場合は、協議もしくは、あんぶん計算で差し引く金額を決めます(相令4の3)。

 扶養義務者とは、配偶者、直系血族及び兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者をいいます。

 また、その未成年者が以前にも未成年者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。

障害者控除

 障害者が相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)となった場合は、相続税が安くなる特例があります。これを障害者控除といいます(相法19の4)。

 障害者控除では、法定相続人のうち障害を持っている人は、85歳になるまでの年数につき一定の金額が相続税からマイナスされます。マイナスされる金額は、障害の重さによって変わってきます。

 一般障害者(相基通19の4-1)の場合、障害者控除の額はその障害者が満85歳になるまでの年数1年につき10万円で計算した額です。
 特別障害者(相基通19の4-2)の場合、障害者控除の額はその障害者が満85歳になるまでの年数1年につき20万円で計算した額です。特別障害者とは、障害者手帳1級・2級など、一定の要件を満たす者をいいます。

 なお、障害者控除額が、その障害者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引ききれないことがあります。この場合は、その引ききれない部分の金額をその障害者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。扶養義務者が2人以上いる場合は、協議もしくは、あんぶん計算で差し引く金額を決めます(相令4の3準用)。

 扶養義務者とは、配偶者、直系血族及び兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者をいいます。

 また、その障害者が以前にも障害者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。

障害者控除の適用により税額がない場合

 障害者控除の適用については申告を要件としていない(相法19の4①)ので、障害者控除適用後に納付すべき税額が算出されない場合は、申告義務はありません。

 相続税の申告書を提出しなければならない者は、被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した者等で、相続税の課税価格の合計額が基礎控除額を超える場合において、その者に係る相続税の課税価格に係る障害者控除等の規定を適用後の相続税額がある者とされています(相法27①)。