カメラマン

 本来は、法令に規定されていない以上、源泉徴収を行う必要はありません。

 カメラマン(個人)に関する源泉徴収でよく議論される話が、HP掲載用の写真撮影を依頼した場合、報酬の支払に際して源泉徴収を行う必要があるかどうかです。

 所得税法施行令320条1項では「雑誌、広告その他の印刷物に掲載するための写真の報酬」が、源泉徴収されると記載されています。

 HPは印刷物ではないから、HP掲載用の写真撮影を依頼した場合の報酬には源泉徴収を行う必要はないと、ある税の専門誌が当局に確認しています。つまり、法令に規定されていない以上、源泉徴収を行う必要はないということです。

 では、youtubeの動画についてはどうだということですが、関係ありそうなのは以下の法令ということになります。

 所得税法204条1項5号では「映画、演劇その他政令で定める芸能又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送に係る出演若しくは演出(指揮、監督その他政令で定めるものを含む。)又は企画の報酬又は料金その他政令で定める芸能人の役務の提供を内容とする事業に係る当該役務の提供に関する報酬又は料金(これらのうち不特定多数の者から受けるものを除く。)」とあります。

 また、「その他政令で定める」と、それを受けた所得税法施行令320条4項では「法204条1項5号に規定する政令で定める芸能は、音楽、音曲、舞踊、講談、落語、浪曲、漫談、漫才、腹話術、歌唱、奇術、曲芸又は物まねとし、同号に規定する政令で定めるものは、映画若しくは演劇の製作、振付け(剣技指導その他これに類するものを含む。)、舞台装置、照明、撮影、演奏、録音(擬音効果を含む。)、編集、美粧又は考証とする。」となっています。

 youtubeの動画報酬については、法令に規定されていないように見えますが、一応、ある会社(源泉徴収義務者になる可能性のある)の所轄の税務署に確認したところ、上記の法令に該当するので、源泉徴収してくれということでした。

 また、別の会社(源泉徴収義務者になる可能性のある)の所轄の税務署に確認したところ、上記の法令に規定されていないので、源泉徴収する必要はないということでした。

 結局、「どっちなの?」ということですが、新しい業態のビジネスに法令が追いついておらず、人によって解釈が違うということでしょう。

 個人的には、法令に規定されていないので源泉徴収をする必要はないと思いますが、所轄税務署の判断を聞いて、その通りの処理をするがよろしいのではないかと思います。

 会社からすると、源泉徴収したとしても納付等の手間はかかりますが、税金的に損することはありません。

 また、報酬を貰う側も源泉徴収されようがされまいが、確定申告をすればトータルの納税額は変わりません。先に納税(源泉徴収)するか、後で納税(確定申告)するかだけの話です。

 ですから、個人的には、税務署とガチガチに争うようなことではないと思います。