贈与税

対象にならない説と対象となる説があります。

(1)贈与税の対象にならない説
 扶養義務者から行われる贈与で、「通常必要と認められる生活費・教育費」に充てるために行われる贈与は、贈与税の対象外です。「生活費」とはその人が通常の日常生活を送るために必要な費用(教育費を除きます)をいい、国民年金保険料はこれに該当するので、贈与税の課税問題が生じないことになります。
 
(2)贈与税の対象となる説
 国民年金の被保険者である子供は、保険料の納付義務があり、また、世帯主である親は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務があります(国年法88①、②)。そして、世帯主である親が世帯に属する被保険者である子供の納付すべき国民年金の保険料を支払った場合は、子供に対する求償権が生じ、その求償権を放棄した場合は贈与があったものとみなされます(相基通8-3)。

 ですから、子供に資力があるときや、すでに他で110万円の贈与をしていたような場合は、贈与税の課税問題が生じることになります。ただし、課税庁がそのことを把握するのは家族間のことなので難しく、実態として課税されていないというのが現状だと思います。

所得税

 納税者が自己と生計を一にする子供の負担すべき国民年金保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます(所法74)。これを社会保険料控除といいます。

 「自己と生計を一にする」に該当するかどうかの判定時期については、国民年金保険料を支払った時点で判定します。

 また、生計を一にしている子供の国民年金保険料を過去3年分まとめて支払ったような場合は、その支払った全額を親が支払った年分の社会保険料控除の対象となります。

法令等

(保険料の納付義務)
国民年金法88条 被保険者は、保険料を納付しなければならない。
2 世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。
3 配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。

(連帯債務者及び保証人の求償権の放棄)
相続税法基本通達8-3 次に掲げる場合には、それぞれ次に掲げる金額につき法第8条の規定による贈与があったものとみなされるのであるから留意する。
(1) 連帯債務者が自己の負担に属する債務の部分を超えて弁済した場合において、その超える部分の金額について他の債務者に対し求償権を放棄したとき その超える部分の金額
(2) 保証債務者が主たる債務者の弁済すべき債務を弁済した場合において、その求償権を放棄したとき その代わって弁済した金額

(社会保険料控除)
所得税法74条 居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払つた場合又は給与から控除される場合には、その支払つた金額又はその控除される金額を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
2 前項に規定する社会保険料とは、次に掲げるものその他これらに準ずるもので政令で定めるもの(第九条第一項第七号(在勤手当の非課税)に掲げる給与に係るものを除く。)をいう。
五 国民年金法の規定により被保険者として負担する国民年金の保険料及び国民年金基金の加入員として負担する掛金