概要

 窓口が1か所という点や創業融資にも積極的に取り組んでいるという点で日本政策金融公庫(略称:日本公庫)に申し込む創業者は多いです。日本政策金融公庫国民生活事業の令和3年度の創業融資実績(創業前及び創業後1年以内)は、26,000先(前年度比 64.1%、前々年度比 103.0%)、1,406 億円(前年度比 56.8%、前々年度比 87.1%)となっています。

 融資先数の内訳をみると、創業融資全体の実績は、コロナ禍において資金需要が急増した前年度と比較し減少しましたが、うち「創業前」融資は 13,641 先(前年度比 112.3%)と増加しました。とくに、若年層の女性向けの融資実績は、大きな伸びが見られます。

 また、「創業前」融資先数を業種別に見ると、多くの業種で前年度実績を上回り、コロナ禍以前(前々年度)並みの水準まで回復していますが、「飲食店、宿泊業」については、コロナ禍以前(前々年度)の水準を大きく下回る状況となっています。つまり、新たに「飲食店、宿泊業」を創業する事業者がかなり減っているためともいえます。

サポートをいたします

 東京クラウド会計税理士事務所では、日本政策金融公庫の新創業融資制度のサポートをいたします。日本政策金融公庫の新創業融資制度に興味のある起業家の方は、ご連絡ください。

特徴

 日本政策金融公庫の新創業融資制度には、以下のような特徴があります。なお、利率は金融情勢によって変動します。

(1)利用できる者

次のすべての要件に該当する者

1.対象者の要件
 新たに事業を始める者または事業開始後税務申告を2期終えていない者
 ここでいう新たに事業を始める者とは、単純な意味ではなく「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる者」に限るため、創業計画書提出等をし、事業計画の内容をチェックされます。

2.自己資金の要件
 新たに事業を始める者、または事業開始後税務申告を1期終えていない者は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいう。)を確認できる者
 ただし、「現在勤めている企業と同じ業種の事業を始める者」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める者」等に該当する場合は、本要件を満たすものとされます。

(2)資金の使いみち

 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金。

(3)担保・保証人

 融資限度額は3000万円(うち運転資金1500万円)となっている。ただし、担保・保証人は原則不要。つまり、原則として代表者個人には責任が及ばないことになっているので、もし会社が潰れることになった場合でも、代表者が個人的に借入金を返済する必要はありません。

(4)申し込みから融資の決定まで

 通常、申し込みから融資の決定まで1か月半程度のため、すばやい資金調達が可能となっています。自治体の融資制度の場合だと2か月半~3か月程度はかかりますが、それより1か月も早いので、すばやい事業展開が可能です。

創業計画書

 創業間もない会社にとってはとてもありがたい制度といえますが、「審査の結果、お客さまのご希望に添えないことがございます」と、日本政策金融公庫ではHPやパンフレットで明記しています。つまり、申し込んだところで100%融資が受けられるとは限らないということです。

 創業者の略歴、信頼性、自己資金、事業に対する熱意など多角的に見て判断されます。実際に融資を申し込む場合、いくつか提出する書類があるのですが、その中でも融資の可否に大きな影響を及ぼすのが「創業計画書」です。

 創業計画書には創業の動機、取扱商品・サービス、必要な資金と調達方法、事業の見通しなどを記入します。つまり「借りたものをきちんと返せる根拠がありますよ」と日本政策金融公庫を納得させるための書類です。そのため、創業計画書は手間をかけて作成しなければなりません。ただし、創業計画書を1度も書いたことがない人にとってはなかなか難しい作業です。

 そのため、日本政策金融公庫ではHP上で創業の手引、創業のポイント集(https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/ sougyou03.html)として、創業計画書記入例などを挙げています。HPで公開しているということは、少なくとも、そこに書かれている内容ぐらいはしっかりと読み込んで、それを参考にする必要があるということになります。