概要

 会社を解散する場合、会社に残っている財産を解散時の株主に分配します。

 会社が赤字で解散する場合は、財産が残っていても、株主が出資した金額よりも少なくなっていることが通常です。そのため、一般的には、所得税が発生することはないです。

 ただし、会社が黒字で解散する場合は、「みなし配当」等といった所得が発生しますので、注意が必要です。

みなし配当

 株主が、法人の解散による残余財産の分配として金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額が「その法人の資本金等の額のうちその交付の基因となつた当該法人の株式に対応する部分の金額(以下、「対応資本金等の額」とします。)」を超えるときは、その超える部分の金額に係る金銭その他の資産は、「みなし配当」の金額となります(所法25①四)。

 対応資本金等の額は、具体的に以下のように算定します(所令61②四)。

対応資本金等の額=分配直前の法人における資本金等の額×減少剰余金等割合×株式保有割合

減少剰余金等割合=残余財産の分配により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額/分配日の属する事業年度の前事業年度終了の時の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を減算した金額
(小数点以下3位未満の端数があるときは切上げ)

株式保有割合=株主等が直前に有していた当該法人の株式の数/当該法人の発行済株式数

 なお、株主が金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額から「みなし配当」に該当する部分を控除した金額は、株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされています(措法37の10③四、37の11③)。

計算例

(Q)
下記の場合の個人株主甲の所得税の取扱いはどうなるのか?

解散するA社
 資産1,000万円、負債500万円
 資本金等の額400万円(資本金300万円、資本準備金50万円、その他資本剰余金50万円)
 利益積立金額100万円(利益準備金50万円、その他利益剰余金50万円)
 残余財産の分配により交付した金銭等の総額 500万円
 発行済株式数 100株

個人株主甲
 甲の所有株式数 10株
 甲が残余財産の分配によりに交付された金銭等の額 50万円

(A)
対応資本金等の額=分配直前の法人における資本金等の額×減少剰余金等割合×株式保有割合
=400万円×(500万円/500万円)×(10株/100株)=40万円

「みなし配当」の金額=50万円-40万円=10万円

源泉所得税

 みなし配当を受ける場合は、通常の配当と同様に源泉徴収されます。非上場株式の配当の場合は、20.42%で源泉徴収されます。