概要

 合同会社は株式会社と異なり、資本準備金や利益準備金の制度がないため、社員資本は「資本金」「資本剰余金」「利益剰余金」の3区分で管理されます(会計規76③)。

 合同会社ではこれら計数の振替や払戻しが、社員ごとの出資や損益の管理(社員別持分管理)と密接に関連している点に留意が必要です。

 なお、合同会社においては、資本金、資本剰余金、利益剰余金の間で計数を振り替えることは、目的や手続によって可能です。ただし、項目ごとに振替の可否や必要な手続が異なります。

資本金と資本剰余金の間の振替え

資本金から資本剰余金へ(減資)

 可能です。

損失のてん補」のために、その資本金の額を減少することができます(会社法620①、627、会計規30②五)。 減少させた資本金の額は、いったん、資本剰余金となります(会計規31①四)。その後、振り替えた資本剰余金は、利益剰余金と振り替えれますが、詳しくは下記。

資本剰余金から資本金へ(資本組入れ)

 可能です。

 資本剰余金の全部または一部を資本金の額とすることができます(会計規30①三、31②四)。これは「資本剰余金の資本組入れ」と呼ばれます。

資本剰余金と利益剰余金の間の振替え

資本剰余金から利益剰余金へ(損失の処理)

 可能です。

 上記で説明したように「損失のてん補」とは、資本金の額を減少させ、資本剰余金の額を増加させることですが、適切な場合には、(増加させた)資本剰余金を減少させ、かつ、利益剰余金を増加させることができます(会計規31②六、32①三)。

利益剰余金から資本剰余金へ

 不可能と考えられます。

 適切な場合には、資本剰余金を増加させることができます(会計規31①五)。また、適切な場合には、利益剰余金を減少させることができます(会計規32②四)。

 しかしながら、利益剰余金を資本剰余金に振り替えることを正当化する直接的な規定は存在せず、現時点の会計慣行でも認められないと考えられます。

利益剰余金と資本金の間の振替え

利益剰余金から資本金へ

 不可能です。

 現時点では、規定がありません。

資本金から利益剰余金へ

 段階的であれば可能です。

 上記で説明したように、「損失のてん補」において、資本金から、いったん、資本剰余金とし、その後、振り替えた資本剰余金から利益剰余金に振り替えるという形であれば可能です。