個人の場合は、株式等の取得日および譲渡日は、原則として「受渡日」によることとされています。ただし、納税者の選択により、その株式等の取得日および譲渡日を、確定申告において、「約定日」とすることもできます。
 受渡日とは、株式売買の決済が行われる日のことをいい、通常では約定日(売買の注文が成立した日)を含めて4営業日目となっています。例えば、月曜日に約定した株式の受渡日は木曜日となりますが、間に祝日があれば、その分先となります。約定日が年末であれば、休日祝日が間にあるので、受渡日は次の年の年初となってしまいます。
 所得税における上場株式等に係る譲渡所得等の総収入金額に収入すべき時期は、法人税における有価証券の譲渡時期(法基通2-1-22)と異なり「約定日」ではなく「株式等の引渡しがあった日(受渡日)」(措通37の10・37の11共-1(1))とされています。なお、「納税者の選択により、当該株式等の譲渡に関する契約の効力発生の日により総収入金額に算入して申告があったときは、これを認める。」(措通37の10・37の11共-1(1)但し書き)とされていますが、これは、一般口座による株式譲渡等が対象であり、いわゆる特定口座(源泉徴収あり)の場合は、収入すべき時期は「受渡日」のみとなります。
 平成29年5月8日裁決(裁事107集39頁)において、この点につき以下のように示しています。
「Xは、源泉徴収選択口座を通じて行われた上場株式の譲渡(本件譲渡)について、本件譲渡に関する契約の効力発生の日(約定日)を本件譲渡に係る譲渡所得の収入すべき時期として申告を行うことは可能であると主張する。しかしながら、源泉徴収選択口座の制度を利用することを選択した者は、譲渡をした日を基準に金融商品取引業者等が収入金額及び必要経費等の計算を行うことを前提に同制度を選択したものと解されるため、同制度において前提とされる計算と異なる日を選択して申告を行うことは予定されていないと解すべきであり、本件においては、特定口座内において処理される収入金額等の額が受渡日を基準に計算され、その状況により特定口座年間取引報告書も作成され請求人に報告されていること、また、特定口座源泉徴収選択届出書の提出期限が、特定口座内保管上場株式等の譲渡に係る決済日であること、さらに、本件譲渡に係る所得税等の源泉徴収は、受渡日に行われていることから、金融商品取引業者等は、受渡日を基準として所得計算等を行っていたといえ、金融商品取引業者等の行う所得計算等に基づき申告を行うことを選択した後において、約定日を本件譲渡に係る譲渡所得の収入すべき時期として申告することはできない。」
 また、いわゆる特定口座(源泉徴収なし)の場合も「特定口座内において処理される収入金額等の額が受渡日を基準に計算され、その状況により特定口座年間取引報告書も作成され請求人に報告されている」以上は、収入すべき時期は「受渡日」のみと考えられます。