税務上の特典があるので、会社の申告は青色申告でするのがお勧めです

「青色申告制度」と「白色申告制度」

 会社の申告制度には「青色申告制度」(法法121①)と「白色申告制度」があります。青色申告では、一般の申告書と区別するために青色の申告用紙を使用するので、この呼び名があります(もっとも、今は電子申告が主流となっていますが)。
 青色申告制度とは、法人税について、会社の取引すべてを複式簿記の原則によって作成した会計帳簿で申告する制度です。また、仕訳帳、総勘定元帳の作成や領収書、請求書を保存する義務があります。
 これによって、税務署側には不正確でいい加減な経理や税の申告を防止することができるというメリットが得られ、申告者側には税務上のメリットが得られるという制度となっています。
 税務上のメリットとしては、欠損金の10年間繰越控除や特別償却、税額控除などが受けられることになっています。申告者側からすると、手間がかかるというデメリットより、税務上の特典であるメリットのほうが大きいので、白色申告より青色申告のほうがトクといえます。
 ただし、青色申告制度は義務ではなく、あくまでも任意で選択した会社についてだけ適用される制度です。そのため、税務署に対して申請書を提出しないと、その会社は自動的に白色申告の会社という扱いになってしまうので注意してください。

青色申告書を提出するための2つの要件

 会社が青色申告書を提出するためには、次の2つの要件を満たす必要があります。
①法定の帳簿書類を備え付けて取引を記録し、かつ、保存すること(法法126①)
②納税地の所轄税務署長に「青色申告の承認申請書」を提出して、予め承認を受けること(法法122)

青色申告の承認を受けるための提出期限

 設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合の提出期限は、設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうち、いずれか早い日の前日までとなっています(法法122①②)。


①設立後最初の事業年度が3か月を超える場合

 設立後最初の事業年度が3か月を超える場合には、設立の日以後3か月以内に提出します。


②設立後最初の事業年度が3か月に満たない場合

 設立後最初の事業年度が3か月に満たない場合には、その事業年度の末日の前日までに提出します。

青色申告をして、よく利用される特典は2つ

 青色申告をする会社は、いくつかの税務上の特典が受けられますが、よく利用されているのは「青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金の10年間繰越控除」と「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」です。

青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金の10年間繰越控除

 確定申告書を提出する法人の各事業年度開始の日前10年以内に開始した事業年度で青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額(赤字)は、その各事業年度の所得金額(黒字)の計算上損金の額に算入できます(法法57)。
 設立初年度は赤字となりがちです。そのため、「欠損金の10年間繰越控除」のメリットは大きいものです。赤字(欠損金)が出ても、その赤字を10年間繰り越せます。具体例を挙げると、例えば設立初年度において赤字が500万円生じたとします。翌期に業績がもち直して黒字(所得)が300万円出ても、繰り越された赤字500万円のうち300万円と相殺できるため、納税をする必要がありません(青色申告法人である中小法人等の場合)。また、残りの赤字200万円は、さらに繰り越すことができます。翌々期に黒字が300万円出た場合、繰り越された赤字200万円と相殺できるため、差し引き100万円に対してだけ税金がかかるのです。
 このように、赤字(欠損金)の繰越ができることは、税金の面で大きなメリットがあるのです。

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

 通常、器具や備品などの減価償却資産を購入し使用しても、その事業年度で全額損金にすることはできず、数事業年度にわたって減価償却費として損金とします。
 「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」により、減価償却資産には、それぞれ法定耐用年数が定められているので、その年数で減価償却費として計上します。例えば、パソコンは4年となっています。
 ただし、従業員数500人以下の青色申告法人である中小企業者が、取得価額が30万円未満である減価償却資産(合計300万円まで)を令和4年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます(措法67の5)。つまり、減価償却資産を購入し使用した事業年度で全額損金にすることができるのです。