信用取引

信用取引により株式を買っていた(買建てをしていた)人が決済前に死亡した場合の相続税評価額

 信用取引により買建てをしていた人が決済前に死亡した場合は、株式については現株と同様に、上場株式の評価方法で評価した価額が財産の額となります。

 そして、信用買いの場合は、証券会社から借り入れを行なっており、その借入代金とそれに対する金利の支払債務が生じているため、買いを建てた金額(手数料込み)とその支払日歩(支払利息)の合計額が債務の額となります。

 なお、逆日歩(品貸料)を受取る場合には、その未収金額は財産となります。

 また、信用取引を行っている場合には、この外に証券会社に預託している「信用取引委託保証金」があり、別途、財産として計上します。保証金ではなく、代用有価証券としている場合も、財産として計上しますが、通常の財産評価額で計上します。

信用取引により株式を売っていた(売建てをしていた)人が決済前に死亡した場合の相続税評価額

 信用取引により売建てをしていた人が決済前に死亡した場合は、借株担保金(売建金額手数料控除後)とその受取日歩(受取利息)の合計額が財産となります。

 そして、課税時期における最終価格を基として評価した「(証券会社からの)借株の評価額」が債務の額となります。この場合における「借株の評価額」は、課税時期(相続開始日)の最終価格となります。したがって、上場株式の価額を評価する場合の課税時期の属する月以前3か月間における月中平均株価では評価できません。

 なお、逆日歩(品貸料)を支払う必要がある場合には、その未払金額は債務となります。

 また、信用取引委託保証金や代用有価証券についても、別途、財産として計上します。

まとめ

買建て売建て
財産買い建てた株式(通常の上場株式による評価)
信用取引委託保証金・代用有価証券
借株担保金
受取日歩(逆日歩は債務)
信用取引委託保証金・代用有価証券
債務借入代金
支払日歩(逆日歩は財産)
借株(課税時期の最終価格)

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