概要
事業者が自己において使用していた固定資産等(棚卸資産以外)を譲渡した場合は、その営む本業の事業の種類のいかんを問わず第四種事業に該当することになります(消令57、消基通13-2-9)。
自己が使用していた固定資産等を贈与等した場合も、第四種事業に該当します(平成12年国税庁消費税課)。
例えば、卸売業を営んでいる者が事業に使用していた固定資産を譲渡した場合、この事業用固定資産の譲渡は第四種事業に該当します。
固定資産等については、建物、建物附属設備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、無形固定資産のほかゴルフ場利用株式等も含まれます。
第一種事業(卸売業)又は第二種事業(小売業)を営む事業者が、不要となったダンボール箱等(以下「不要物品等」といいます。)の譲渡を行う事業は、他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売するものではないことから、原則として第四種事業に該当します(消基通13-2-8)。
ただし、事業者が当該不要物品等が生じた事業区分に属するものとして処理しているときには、これが認められます。
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転売
転売目的で固定資産等を取得し、性質及び形状を変更しないで他の事業者や消費者に販売した場合には、第四種事業に該当しないと考えられています。
転売目的で建物を取得し、かつ、同日に譲渡した場合には、建物の譲渡は性質及び形状を変更しないで他の事業者に販売する事業であり、第一種事業に該当するとされた平成18年12月13日裁決(関裁(法・諸)平18第34号)があります。
消費税法基本通達
13-2-8(廃材(品)、加工くず等の売却収入の事業区分)
第三種事業に該当する製造業等に係る事業に伴い生じた加工くず、副産物等の譲渡を行う事業は、第三種事業に該当するのであるから留意する。
なお、第一種事業又は第二種事業のうち小売業から生じた段ボール等の不要物品等(当該事業者が事業の用に供していた固定資産等を除く。以下13-2-8において「不要物品等」という。)の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当するのであるが、当該事業者が当該不要物品等が生じた事業区分に属するものとして処理しているときには、これを認める。
13-2-9(固定資産等の売却収入の事業区分)
事業者が自己において使用していた固定資産等の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当するのであるから留意する。
転売目的で固定資産等を取得し、性質及び形状を変更しないで他の事業者に販売した場合には、第四種事業に該当しないとされた事例-平成18年12月13日裁決(関裁(法・諸)平18第34号)(一部取消し)
(1)事案の概要
本件の事案の概要は、次のとおりである。
① 審査請求人Xは、人形卸売業を営む同族会社(法人税法2条《定義》10号)であった。
Xは、簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した届出書を平成12年6月21日に原処分庁に提出した。
② Xは、いくつかの不動産(以下「本件各不動産」といい、これらのうち各建物を「本件各建物」という。)を賃貸する目的で取得契約をしたものの、資金の調達ができなかったことから、転売する(転売先は宅地建物取引業を営む事業者)こととし、取得日と同日である平成15年10月29日(以下「本件取引日」という。)にこれらの譲渡代金等及び取得代金その他の費用の精算が行われた。
Xは、本件各不動産の取引に関し受領した金員2,304万円余(以下「本件金員」という。)を平成15年5月1日から平成16年4月30日までの事業年度(以下「本件事業年度」という。)において「預り金」勘定に計上した。
③ 原処分庁は、Xが、本件各不動産を、取得し、譲渡したものであるとし、本件金員は、同譲渡に係る精算金で、これにより生じた利益相当額を受領したものであるなどとして、法人税の、また、本件各建物の譲渡は、課税資産の譲渡で、固定資産の譲渡であるから、第四種事業(消費税法施行令57条5項5号)に当たるとして消費税等の、それぞれ各更正処分等を行った。
④ Xがその全部の取消しを求めた。
(2)本件の主な争点
(争点1) 本件取引日において、本件各不動産の取得及び譲渡があったか否かである。
(争点2) 本件各建物の譲渡は消費税法の簡易課税制度において、第一種事業なのか第四種事業なのかである。
(3)判断要旨(一部取消し)
(争点1)
① Xは、本件各不動産を賃貸する目的で取得契約をしたものの、資金の調達ができなかったことから、転売することとし、本件取引日にこれらの譲渡代金等及び取得代金その他の費用の精算が行われたもので、本件金員は、Xの各不動産の譲渡による利益相当額として、受領したと見るのが相当であって、Xは、本件取引日に不動産を取得し、同日、これらを譲渡したというべきである。
(争点2)
② 原処分庁は、本件各建物の譲渡は固定資産の譲渡であるから、同譲渡は第四種事業に当たる旨主張するが、Xは、転売目的で本件各建物をその取引日に取得し、かつ、譲渡したものであり、さらに、当審判所の調査の結果によれば、譲渡先は宅地建物取引業を営む事業者で、本件各建物は取得時の現状のまま同社に譲渡されたことから、本件各建物の譲渡は、卸売業というべき「他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで他の事業者に対して販売する事業」(消費税法施行令57条6項)に当たり、第一種事業に該当するから、同譲渡に係るみなし仕入率は100分の90である。


