概要
販売用の土地や建物を購入したときは、購入代金だけでなく、仲介手数料や売主に支払う固定資産税の精算金なども、原則として取得価額に含めます。
一方、不動産取得税、登録免許税その他の登記費用、借入金の利子などは、取得価額に含めずに期間費用として処理することが認められています。ただし、取得価額に含めないことと、支払った年度に損金算入できることは、分けて判断する必要があります。
この記事では、内国普通法人が通常の販売目的で保有する不動産について、法人税上の取得価額と費用処理の関係を解説します。
販売用不動産は棚卸資産として扱う
不動産販売業者が転売するために購入した土地・建物や、分譲するために造成・建設した土地・建物は、原則として棚卸資産に該当します(法法2二十、法令10)。
購入した棚卸資産の取得価額は、原則として、次の金額の合計額です(法令32①一)。
- 購入代金に、購入手数料など購入のために要した費用を加算した金額
- その資産を販売の用に供するために直接要した費用
取得価額に含めた金額は、その不動産が未販売であれば、原則として期末の棚卸資産として残ります。販売したときに、その売上に対応する売上原価として損金に算入される仕組みです(法法22③一)。
販売用建物は、棚卸資産である限り、賃貸用建物などの固定資産のように減価償却するものではありません。賃貸用・自社使用の不動産か、販売用不動産かは、実際の取得目的や保有状況に基づいて判断します。
取得価額に含める費用・含めないことができる費用
購入した販売用不動産に関する主な支出は、次のように整理できます。
| 支出の内容 | 法人税上の基本的な取扱い |
|---|---|
| 不動産の購入代金 | 取得価額に含める |
| 購入に係る仲介手数料 | 取得価額に含める |
| 売主に支払う固定資産税・都市計画税の未経過分の精算金 | 購入対価の一部として取得価額に含める |
| 販売できる状態にするために直接要した改修費・造成費等 | 原則として取得価額に含める |
| 不動産取得税 | 取得価額に含めないことができる |
| 登録免許税・所有権移転登記のための司法書士報酬等 | 取得価額に含めないことができる |
| 自社に課された固定資産税・都市計画税 | 取得価額に含めないことができる |
| 取得・保有に関連する借入金の利子 | 取得価額に含めないことができる |
取得価額に含めないことができる費用の根拠は、法基通5-1-1の2です。この取扱いは、販売用不動産だけでなく、棚卸資産の取得・保有に関する取扱いとして定められています。
なお、取得価額に含めるかどうかと、消費税の課税区分・仕入税額控除の可否は別の問題です。
不動産取得税・登記費用・借入利息は費用処理を選択できる
不動産取得税と登記費用
不動産取得税、登録免許税その他の登記・登録のために要する費用は、販売用不動産の取得に関連するものであっても、取得価額に含めないことができます(法基通5-1-1の2(1)・(5))。
例えば、所有権移転登記に係る登録免許税や、その登記を依頼した司法書士の報酬は、この取扱いの対象となります。購入に係る仲介手数料とは区別してください。
これらの取得税・登記費用は、取得原価そのものとは異なる性質も有することから、取得価額に算入するかどうかを法人の選択に委ねる取扱いとされています。固定資産についても、不動産取得税や登記費用に同様の取扱いがあります(法基通7-3-3の2(1))。
これら租税公課等について、固定資産の取得価額に算入しないことができる理由について、「十二訂版法人税基本通達逐条解説(税務研究会出版局)」650頁では、以下のように解説しています。
| 本通達(編注、法人税基本通達7-3-3の2)の(1)の租税公課等は、いずれも固定資産の取得に関連して納付するものであるから、その取得価額に算入しなければならないのではないかという考え方があり得よう。しかしながら、もともとこれらの租税公課等は一種の事後費用であるうえ、その性格も流通税的なものないしは第三者対抗要件を具備するための費用であって、必ずしも固定資産の取得原価そのものとはいいきれない面がある。そこで、これらの租税公課等を取得価額に算入するかどうかは法人の判断に任せることとされている。 |
自社に課された固定資産税・都市計画税
販売用不動産を保有することに伴い自社に課された固定資産税・都市計画税も、取得価額に含めないことができます(法基通5-1-1の2(3))。
したがって、販売用の土地を造成している期間中に課された固定資産税などについても、必ず造成原価に含めなければならないわけではありません。
固定資産税及び都市計画税については、一般的には単純な期間費用です。これら租税公課は、棚卸資産である土地を販売するために直接要した費用というよりはむしろ土地を保有することに伴って発生する費用という性質を有するものであり、不動産取得税などの租税公課よりも原価性が低いと考えられます。
それなのに、あえて、これを取得価額に算入しないことができると通達で記載されているのは、棚卸資産の固有の問題として取扱いを定めたものということができ、そのことについて、「十二訂版法人税基本通達逐条解説(税務研究会出版局)」574~575頁では以下のように解説しています。
| 土地、建物等の不動産を棚卸資産として取得し、保有している法人(不動産業者等)にとっては、当該不動産について課される地価税や固定資産税、都市計画税等は、いわば棚卸資産の販売の用に供するために不可欠の費用であるともいえる。このような意味からすれば、例えば、土地の造成期間中に課された地価税や固定資産税等については、法人税法施行令第32条第1項第1号ロ(棚卸資産の取得価額)に規定する「当該資産を消費し又は販売の用に供するために直接要した費用」に該当し、その取得価額に算入しなければならないということであろう。 しかしながら、不動産の取得に関連して課された不動産取得税等のように、不動産の保有に関連して課される地価税や固定資産税等より原価性が濃いと認められる租税公課等について原価外処理を認めながら、地価税や固定資産税等について原価算入を強制するのは必ずしも妥当ではなく、また、現実の企業経理においても、これらの租税を取得価額に算入するかしないかは区々であると思われるので、これを取得価額に算入するかしないかは法人の任意とすることとされている。 |
ただし、売主へ支払った固定資産税等の精算金には、この取扱いを適用しません。精算金については、後で説明します。
借入金の利子
販売用不動産の取得・保有に関連する借入金の利子も、その不動産の取得価額に含めず、期間費用として処理することができます(法基通5-1-1の2(6))。
売却前の不動産に対応する借入利息であるという理由だけで、必ず販売時まで費用化を繰り延べる必要はありません。
なお、借入金の元本返済は費用ではありません。また、融資手数料や保証料は、借入利息と名称・性質が異なるため、契約内容や対象期間に応じて別途判断します。
これらの費用に「購入代金の3%以内」という条件はない
法基通5-1-1の2に掲げられた取得税・登記費用・借入利息などについては、後述する少額付随費用の3%基準は適用要件とされていません。
例えば、不動産取得税が購入代金の3%を超えているという理由で、直ちに取得価額への算入が強制されるわけではありません。
同通達には、地価税と特別土地保有税も掲げられています。ただし、地価税は平成10年以後の課税時期について当分の間課税が停止され、特別土地保有税は平成15年度以降、新たな課税が停止されています(措法71、地方税法附則第31条)。
取得価額に含めない場合でも、損金にする時期を確認する
不動産取得税・固定資産税等は、原則として賦課決定の年度
取得価額に含めないことを選択した不動産取得税、固定資産税、都市計画税などの賦課課税方式による租税は、原則として、賦課決定のあった日の属する事業年度に損金算入します。
ただし、その納期の開始の日の属する事業年度、又は実際に納付した日の属する事業年度に損金経理した場合には、その事業年度に損金算入する取扱いも認められています。分割納期の場合は、それぞれの納期の開始の日によります(法基通9-5-1(2))。
そのため、「不動産を買った年度」「納税通知を受けた年度」「実際に納付した年度」が異なる場合には、採用する処理を確認します。取得した年度だからという理由だけで、まだ賦課決定されていない不動産取得税を見込計上して損金にできるわけではありません。
登記報酬・借入利息等も支払日だけで判断しない
登記報酬や借入利息などを期間費用とする場合も、原則として、その費用の発生や債務の確定、対象となる期間などに応じて損金算入の時期を判断します(法法22③二、法基通2-2-12)。
例えば、翌期以降に対応する利息を前払いした場合に、その全額を当然に当期の損金にできるわけではありません。前払費用には別途の取扱いがあります(法基通2-2-14)。
固定資産税等の精算金は、買主に課された税金ではない
売主に支払う精算金は購入対価の一部
不動産売買では、売主に課された固定資産税・都市計画税について、引渡日以後の期間に対応する金額を買主が負担することがあります。
この精算金は、買主が地方公共団体に納付する税金ではなく、売買当事者の合意に基づく金銭の授受です。通常の売買に伴う未経過分の精算金は、不動産の購入対価の一部として、販売用不動産の取得価額に含めます(法令32①一、消基通10-1-6)。
精算金の消費税は土地部分・建物部分を区別する
固定資産税等の精算金は不動産の譲渡対価の一部であるため、消費税についても、対応する不動産の取扱いに従います。
- 土地に対応する精算金は、土地の譲渡対価の一部として非課税です。
- 建物に対応する精算金は、建物の譲渡対価の一部です。売主が事業として建物を譲渡する場合には、原則として消費税の課税対象となります。
「固定資産税という名称だから消費税の対象外」「精算金は土地部分もすべて課税」という処理はいずれも適切ではありません(消法6①、別表第二一、消基通10-1-6)。
なお、名義変更の遅れなどにより、本来買主に課されるべき税が売主に課され、売主が立て替えた税を買主から回収する場合は、通常の未経過分の精算とは区別します(消基通10-1-6注)。
「おおむね3%以内なら経費」の対象は限定されている
購入した棚卸資産については、次の費用の合計額が、その購入代価のおおむね3%以内の少額な金額である場合、取得価額に含めないことができます(法基通5-1-1)。
- 買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用
- 販売所等から販売所等へ移管するための運賃、荷造費等
- 特別の時期に販売するなどのため、長期間保管するために要した費用
判定するのは、対象となる費用の合計額です。事業年度ごとに、種類・品質・型を同じくする棚卸資産ごとに判定できる取扱いもあります(同通達注1)。
なお、特別な時期に販売するための長期保管費用以外の通常の保管費用については、保険料を含め、取得価額に含めないことができる別の取扱いがあります(同通達注2)。
これは、付随する費用を何でも購入代金の3%まで損金にできる制度ではありません。購入に係る仲介手数料は購入のために要した費用であり、3%以内だからという理由だけで取得価額から除外することはできません。
また、販売商品としての建物を整えるための改修工事や、分譲地の造成工事などは、原則として取得価額・製造原価を構成します。軽微な手入れ等の費用として同通達の対象になるかどうかは、工事の名称ではなく実際の内容で判断します(法令32①一・二)。
この3%基準は棚卸資産についての取扱いであり、固定資産の取得費用に一律に適用できるものではありません。
自社で造成・建設する場合の製造原価そのものと、製造等の後に生じた少額付随費用も区別が必要です(法基通5-1-3)。固定資産の修繕費の取扱いを、そのまま販売用不動産に当てはめることはできません。
取得価額への算入を選んだ後に、自由に費用へ変更できるわけではない
取得価額に含めないことが認められる費用でも、いったん適法に取得価額へ算入する処理を選択した後に、別の処理の誤りが判明したことを理由として、その選択を自由に変更できるわけではありません。
平成12年12月4日裁決の事案
平成12年12月4日裁決では、不動産売買業を営む法人が、固定資産であるビルの取得に係る不動産取得税・登録免許税を取得価額に算入していました。
法人は、これらを全額費用処理すると大幅な欠損になると見込まれたため、申告所得金額を3,000万円程度とするために資産計上したと説明していました。
一方、売主に支払った固定資産税精算金は費用処理していましたが、原処分庁は、この精算金を取得価額に含めるべきものとして損金算入を否認しました。
そこで法人は、既に資産計上した不動産取得税・登録免許税の一部を損金に変更すれば当初の申告所得金額は変わらないとして、更正の請求をしました。
審判所の判断――他の費用の否認を理由に選択を変更できるか
審判所は、不動産取得税等を取得価額に算入するかどうかを法人の選択に委ねる取扱いを適法と認めた上で、本件の資産計上は、確定決算において法人が自主的に選択した正当な処理であり、その処理自体に誤りはなかったと判断しました。
また、固定資産税精算金を損金にできると誤信したことと、不動産取得税等を資産計上することを選んだことは別の問題であるとしました。後から再度の選択を認めれば、取得価額を任意に減額する恣意的な所得計算を認めることになるとして、資産計上した不動産取得税等を改めて損金に変更することを認めませんでした。
この裁決は、当初申告した事業年度について、更正の請求によって適法な選択をやり直すことを認めなかった事例です。元の申告年度にさかのぼって処理を変更すれば認められる、ということにはならない点に注意が必要です(平成12年12月4日裁決・裁事60集28頁、裁決書3(2)ロ~ニ)。
販売用不動産について参考にするときの注意点
この裁決の対象は固定資産であり、販売用不動産である棚卸資産について直接判断したものではありません。また、固定資産税精算金を取得価額に含めるべきことは請求人も前提としており、中心的な争点は、不動産取得税等の処理の選択を変更する更正の請求が認められるかという点でした。
販売用不動産の取得税・登記費用等を取得価額に含めないことができる根拠は、法基通5-1-1の2です。その上で実務上は、取得価額への算入が必要な精算金などと、期間費用とする選択が認められる取得税等とを区別し、申告前に処理方針を確認することが大切です。計算誤りや法令に反する処理の訂正と、適法に行った選択の変更とを混同しないようにしてください。
販売用土地を購入した場合の計算例と仕訳
前提と取得価額の計算
不動産販売会社が販売用土地を購入し、次の支出をしたものとします。税込経理方式とし、各費用の損金算入時期に関する要件を満たし、当期に支払済みとします。司法書士報酬は司法書士法人への支払とし、消費税の申告計算は省略します。
| 支出項目 | 金額 | この例で採用する処理 |
|---|---|---|
| 土地の購入代金 | 3,000万円 | 取得価額に算入 |
| 購入に係る仲介手数料 | 100万円 | 取得価額に算入 |
| 売主への固定資産税等精算金 | 20万円 | 取得価額に算入 |
| 販売用土地の造成工事費 | 200万円 | 取得価額に算入 |
| 不動産取得税 | 30万円 | 期間費用として処理 |
| 登録免許税 | 30万円 | 期間費用として処理 |
| 所有権移転登記の司法書士報酬 | 15万円 | 期間費用として処理 |
| 当期に対応する借入利息 | 30万円 | 期間費用として処理 |
この例では、取得価額に含めないことができる取得税・登記費用・借入利息について、期間費用とする処理を選択しています。
販売用土地の取得価額は、3,000万円+100万円+20万円+200万円=3,320万円です。
当期の期間費用は、30万円+30万円+15万円+30万円=105万円となります。
取得等の仕訳例
複数の支出を、処理区分ごとに集計して示すと、次のようになります。勘定科目は例示です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 販売用不動産 | 3,320万円 | 普通預金 | 3,320万円 |
| 租税公課 | 60万円 | 普通預金 | 60万円 |
| 支払手数料 | 15万円 | 普通預金 | 15万円 |
| 支払利息 | 30万円 | 普通預金 | 30万円 |
期末まで未販売で、評価損等がないものとすれば、3,320万円は販売用不動産として残ります。上記105万円は、この例の前提では当期の期間費用になります。
翌期に販売した場合の原価振替
翌期に当該土地を販売し、その売上を計上した場合には、対応する取得価額を売上原価に振り替えます。追加原価等がないものとした仕訳例は、次のとおりです。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売上原価 | 3,320万円 | 販売用不動産 | 3,320万円 |
取得税等を取得価額に含めた場合と含めない場合とでは、原則として損金算入の時期が変わります。取得価額に含めないことによって、同じ費用を二重に損金算入できるわけではありません。
会計処理・消費税・申告調整の確認事項
中小会計指針26は、棚卸資産の取得価額と少額付随費用の取扱いを定めています。また、中小会計要領の各論6も、購入金額に付随費用を加えた金額などに基づいて棚卸資産を計上する考え方を示しています。
採用する会計ルールと法人税上の取扱いを確認し、会計上の重要性の判断と、税務上の3%基準を混同しないようにします。
例えば、期末に未販売の物件について、本来取得価額に含めるべき仲介手数料を誤って費用処理した場合には、決算で修正するか、法人税申告で調整する必要があります。帳簿を修正せず申告調整する場合、期末在庫に対応する金額を別表四で加算・留保し、別表五(一)で管理し、後の販売時に対応する減算を行います。
また、税金そのものの支払と、仲介業者・司法書士への報酬の支払では、消費税の取扱いが異なります。報酬に係る仕入税額控除については、帳簿・適格請求書等の保存、適用する計算方法や経過措置などを別途確認してください。
販売用であっても、保有中に住宅として賃貸する建物などについては、高額特定資産等に該当する居住用賃貸建物の仕入税額控除の制限に注意が必要です。棚卸資産の科目で処理していることだけで、制限の対象外になるわけではありません。一方、所有している間に住宅として貸し付けないことが客観的に明らかな販売用建物は、この制限にいう居住用賃貸建物には該当しません(消法30⑩、消基通11-7-1(3))。
土地・建物をまとめて購入した場合は、付随費用の処理に加えて、購入対価の区分も必要です。価額区分については、関連記事「土地・建物を一括取得したときの取得価額の按分と裁判例」をご覧ください。
主な根拠資料
- 法人税法22③、法人税法施行令10・32①一・二
- 法人税基本通達5-1-1、5-1-1の2、5-1-3
- 法人税基本通達9-5-1、2-2-12、2-2-14、7-3-3の2
- 消費税法6①・30⑩、別表第二一、消費税法基本通達10-1-6、11-7-1
- 国税庁質疑応答事例「未経過固定資産税等の取扱い」
- 国税庁タックスアンサーNo.5300「損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期」
- 平成12年12月4日裁決(裁決事例集60集28頁)
- 日本税理士会連合会「中小会計指針・中小会計要領」(中小会計指針・令和7年9月19日修正版26、中小会計要領・各論6)
- 『十二訂版 法人税基本通達逐条解説』(税務研究会出版局)573~575頁、647~650頁
- 『令和6年版 消費税法基本通達逐条解説』565~566頁
通達
法人税基本通達5-1-1(購入した棚卸資産の取得価額)
購入した棚卸資産の取得価額には、その購入の代価のほか、これを消費し又は販売の用に供するために直接要した全ての費用の額が含まれるのであるが、次に掲げる費用については、これらの費用の額の合計額が少額(当該棚卸資産の購入の代価のおおむね3%以内の金額)である場合には、その取得価額に算入しないことができるものとする。
(1) 買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用の額
(2) 販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用の額
(3) 特別の時期に販売するなどのため、長期にわたって保管するために要した費用の額
(注)
1 (1)から(3)までに掲げる費用の額の合計額が少額かどうかについては、事業年度ごとに、かつ、種類等(種類、品質及び型の別をいう。以下5-2-9までにおいて同じ。)を同じくする棚卸資産(事業所別に異なる評価方法を選定している場合には、事業所ごとの種類等を同じくする棚卸資産とする。)ごとに判定することができる。
2 棚卸資産を保管するために要した費用(保険料を含む。)のうち(3)に掲げるもの以外のものの額は、その取得価額に算入しないことができる。
法人税基本通達5-1-1の2(棚卸資産の取得価額に算入しないことができる費用)
次に掲げるような費用の額は、たとえ棚卸資産の取得又は保有に関連して支出するものであっても、その取得価額に算入しないことができる。
(1) 不動産取得税の額
(2) 地価税の額
(3) 固定資産税及び都市計画税の額
(4) 特別土地保有税の額
(5) 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用の額
(6) 借入金の利子の額
法人税基本通達7-3-1の2(借入金の利子)
固定資産を取得するために借り入れた借入金の利子の額は、たとえ当該固定資産の使用開始前の期間に係るものであっても、これを当該固定資産の取得価額に算入しないことができるものとする。
(注) 借入金の利子の額を建設中の固定資産に係る建設仮勘定に含めたときは、当該利子の額は固定資産の取得価額に算入されたことになる。
法人税基本通達7-3-3の2(固定資産の取得価額に算入しないことができる費用の例示)
次に掲げるような費用の額は、たとえ固定資産の取得に関連して支出するものであっても、これを固定資産の取得価額に算入しないことができる。
(1) 次に掲げるような租税公課等の額
イ 不動産取得税又は自動車取得税
ロ 特別土地保有税のうち土地の取得に対して課されるもの
ハ 新増設に係る事業所税
ニ 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用
(2) 建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用の額
(3) 一旦締結した固定資産の取得に関する契約を解除して他の固定資産を取得することとした場合に支出する違約金の額
消費税質疑応答事例「未経過固定資産税等の取扱い」
【照会要旨】
不動産売買契約における公租公課の分担金(未経過固定資産税等)は、消費税法上どのように取り扱われるのでしょうか。
【回答要旨】
不動産売買の際に、売買当事者の合意に基づき固定資産税・都市計画税の未経過分を買主が分担する場合の当該分担金は、地方公共団体に対して納付すべき固定資産税そのものではなく、私人間で行う利益調整のための金銭の授受であり、不動産の譲渡対価の一部を構成するもの(対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭)として課税の対象となります(基通10-1-6)。
【関係法令通達】
消費税法第2条第1項第8号、第28条第1項、消費税法基本通達10-1-6
消費税法基本通達10-1-6(未経過固定資産税等の取扱い)
固定資産税、自動車税等(以下10-1-6において「固定資産税等」という。)の課税の対象となる資産の譲渡に伴い、当該資産に対して課された固定資産税等について譲渡の時において未経過分がある場合で、その未経過分に相当する金額を当該資産の譲渡について収受する金額とは別に収受している場合であっても、当該未経過分に相当する金額は当該資産の譲渡の金額に含まれるのであるから留意する。
(注) 資産の譲渡を受けた者に対して課されるべき固定資産税等が、当該資産の名義変更をしなかったこと等により当該資産の譲渡をした事業者に対して課された場合において、当該事業者が当該譲渡を受けた者から当該固定資産税等に相当する金額を収受するときには、当該金額は資産の譲渡等の対価に該当しないのであるから留意する。
